index > novel > キミノコエ(23)



= 23 =

 歌がきこえる。
 耳慣れた声のような気がしたけれど、それが、誰のものなのか、わからない。
 何の歌だろう。聞いたことのない、緩やかで柔らかいメロディだった。日本語ではないし、かと言って、英語でもないようだった。なんだろう。誰が、歌っているのだろう。とても、優しい。
 ――どうしたの、マサキ。
 ぼくが、外を見ようとしたからだろう。純太が、不思議そうに聞いてきた。それに、なんでもない、と首を振る。
 ――だれか、歌をうたっていない?
 ――なにも聞こえないよ。それより、怖くない? どこも、痛いところはない?
 ぼくが囁きで尋ねると、純太は笑って、ぼくの具合を聞いてきた。それに、うん、と、頷いて、どこにも不満のないことを表す。
 ここはとても柔らかくて、温かくて、居心地がよい。純太がぼくのために作ってくれた、ぼくを傷つけない、ぼくだけのための場所だ。
 ――ここにいればもう、なにも、嫌なことは起こらないから。
 純太はそう言って、笑う。
 彼はいつだって、ぼくを悪いものから守ってくれる。この場所を与えてくれたのも純太だし、いつだって傍にいてくれて、ぼくを脅かすものから、守ってくれている。だからぼくはいつでも、安心して眠っていられる。
 ……歌が聞こえる。あんまり、上手じゃないな。ときどき調子が外れるし、詞を忘れてしまったのか、いい加減に誤魔化しているように聞こえる部分もある。それでも、とても、いいな。誰が歌っているのだろう。
 ――ねぇ、じゅんちゃん、だれか、
 ――誰もいないよ。誰も、何も、聞こえない。……おやすみ、マサキ。
 ――……うん。
 優しく髪を撫でてもらって、ぼくはいつものように、眠りについた。
 歌は、まだ聞こえる。
 それから随分と長い間、微睡んだ。ぼくは、その大好きな場所で、何の夢も見ない、ただ眠るための眠りの時間を過ごす。
 ――おい。
 けれど、ある日、その人は現れた。
 ――なぁ、おまえ、そんなところにいて、狭くないのか。
 その人はぼくを、外から見ていた。純太じゃない、その人の声を、どこかで聞いたことがあるような気がした。
 ……狭い? なにを言っているのだろう。ここは純太がぼくに作ってくれた、特別な場所なのに。
 その人の言うことを否定するために首を振る。ふぅん、と、どうでも良さそうにその人は息をついた。
 ――外に出てこいよ、そんな狭いところで丸まってないで。窮屈だろ。
 外なんて、行きたくない。怖いものばかりだし、痛いこともたくさんあるし、嫌なことばっかりだ。
 ぼくが首を振ると、その人はぼくの手に、何か持たせてくれた。橙色で、丸くて、すべすべしたもの。
 ――やるよ。
 その人がくれたのは、ぼくの手のひらにちょうど包めるくらいの、小さな蜜柑だった。鼻を近づけてみる。とても、いい匂いがした。
 純太はどこに行ってしまったのだろう、と不思議がって、少しだけ、外に顔を出す。すると、少し離れたところから、じっと、ぼくを見ていた。ぼくと、ぼくに話しかけてきた人を、じっと見ている。
 ――おまえがここにいるから、あいつも、どこにも行けないんだよ。ほら、
 そう言って、その人は純太の、足元を指差した。その足首に、銀色の枷のようなものがはめられている。そこから、どこに繋がるのか、細い鎖が伸びていた。
 ――なぁ、おまえ、狭いだろ、そこ。出て来いよ。
 その人が、ぼくに手を差し伸べる。
 ――やだ、こわい。
 ――別に、怖いことなんてそんなにねぇよ。そんな所にいる方が不健康だ。そのうち、押し潰されるぞ。
 ――なにを言っているの。ここは、
 ここは純太がぼくのために築いてくれた、ぼくだけの場所だ。そこから離れたら駄目だよって、何度も純太に言われた。外にはぼくをあんな目に遭わせるようなものがたくさんあるから、だからもう二度とここから出ないようにって。そうすれば、もう何も怖いことはないって。
 ぼくが小さな声で、その人に教えると、その人は呆れたように、舌打ちをした。
 ――来いよ、外から、見てみろ。
 そう言って、ぼくの手を掴んで、強い力で外から引っ張る。いやだと首を振ったけれど、とても強い力で、とても敵わなかった。
 冷たい風と、ざらざらした地面。どこにも柔らかいもののない乾いた世界に、引きずり出されてしまった。足の裏の皮膚が、転がっていた小石を踏みつけて、それだけで傷が付いてしまった。痛い。
 ――いやだ、あの中にかえして、ぼくをあの中に帰らせて。
 ――よく、見ろ。
 その人がぼくの肩を両手で掴んで、ぼくにその場所へと向き直らせる。突然、その時に気付く。……ああ、この人の声だ。
 ずっと歌っていたのは、この人だ。あんまり上手じゃない、けれどもとても優しいあの歌。ずっと遠くから聞こえていたのは、この人の声だ。
 見ろ、と言われるままに、外の世界から眺めて、はじめてそのかたちを知る。
 純太がぼくに作ってくれた、温かくて、居心地のよい小さなぼくの世界。
 それは、四方を錆びた鉄の格子が囲む、檻だった。
 それまで黙ってぼくを見ていた純太が、鋭く声を上げる。
 ――行っちゃだめだ、マサキ。駄目だ、そこから出たら、ほら、血が出てるじゃないか、外はおまえを傷つけるものばかりなんだ、だから、だからだめだ!
 ――じゅんちゃん。……じゅんちゃん。
 純太の足首を繋ぐ、枷。その銀色の鎖が伸びている先を見て、さっき、この人が言いたかった意味が分かる。
 その鎖は、ぼくがそれまで入っていた、あの入れ物に繋がっていた。
 ――ぼくがあの中にいたから、だからじゅんちゃんも、どこにも行けなかったの。
 ――ちがう、ちがう、ちがうちがう。そうじゃない。だっておまえが、傷だらけだから、外になんて出たら、死んじゃうから、
 ――傷はもう、みんな治ったよ。じゅんちゃんが、ぼくに休む場所をくれたから。……外に出たよ。でも、死なない。
 純太はぼくの言った言葉に、傷ついてしまったようだった。なんだか、とても悪いことをしてしまった気分になる。足首に食い込む枷が、とても痛そうで、かわいそうだった。あれを、取ってあげたかった。……でも、それが出来るような道具がなかった。
 ――持ってるだろ。
 ――え。
 ――それ。
 ぼくの肩を掴んでいた手を離して、その人は、ぼくの左手を指差した。そこには、さっきこの人から貰った、蜜柑があるはずだった。
 けれども、今ぼくが手のひらを広げると、違うものがあった。
 鈍く光る、ぼくの小指の長さほどの、ちいさな鍵が、そこにあった。

 ぼくのすぐ傍で、ひとりで小さな声で、歌をうたっている人がいる。
 やさしくて、きれいな歌だけれど、……だけど、やっぱり、あんまり上手じゃないな。

 目を覚ましても、頭上に広がっていたのは、見慣れない白い天井だった。
「お、起きたな」
 実波がぼくを覗き込む。
 窓から、光が差し込んでいる。眩しい日差しに目を細めて、壁に掛かっている時計を見た。まだ、午前中だ。
 実波が制服を着ていなかったので、なんだ、またサボったのか、とそう思いかけて、気付く。今日は休みだ。わざわざ休みの日にまで、お見舞いに来てくれたのだろうか。
 検査で異常は見つからなかったし、ぼくの意識もはっきりしているので、入院は念のため、あと二、三日で退院出来るとお医者さんは言ってくれた。痛みは相変わらずあったけれど、それも昨日よりはいくらか軽くなっている。ただ、まだ真っ直ぐ歩くことが出来ないので、誰かがこうして付いていてくれると、とても心強かった。
 母さんは昨日の夜、慌てふためいた様子で駆けつけてきてくれた。けれども、すっかり慌ててしまっていて、ぼくの着替えや、入院の手続きをしてくれたのは純太のお母さんだった。かわいそうに、かわいそうに、と何度もぼくにそれだけ言って、母さんは帰ってしまった。……今日は仕事だから来られませんと、携帯にメールが入っていた。
 だから今日は、誰も来てくれないと思っていた。それなのに、目が覚めると横に実波がいた。うれしい。
「おまえのお袋さん、マナミ、っていうんだな」
 ベッドの脇の小さな物入れの上に、何枚か書類が載っていた。入院関係の何かだろう。それを見て、実波が妙に、面白くなさそうに呟く。
 ぼくの母さんの名前が、どうしたというのだろう。
「おれの名前と似てる」
 ……確かに、音がひとつ違うだけだ。でも、どうしてそのことで、そんな顔をするのだろう。何が気にくわないのだろうか。
 ぼくが怪訝そうな顔をしているのを見て、実波は憮然とした声で続けた。
「だからおまえ、おれの名前、言えたんだろ」
 とても子どもじみた言い方だった。何を言い出すのかと思ったら、そんなこと。
「なに笑ってんだよ」
「……かあさんのこと、なまえで呼んだことなんて、ない、よ」
 ぼくがそう言って笑うと、実波はそのことをどう受け止めたのだろうか、む、と唇を曲げて、少し横を向いてしまった。
「みなみ。……さっき、歌ってた?」
 夢の中で、歌が聞こえた。あれは、実波の声だったような気がする。
 顔をそらしたまま、実波はひとつ頷いた。やっぱり。
「夢を、みたよ」
 ぼくと、純太と、それから、実波の出てくる夢だった。夢の中でも実波は強引で、自分勝手で、そして、ぼくに多くのことを気付かせてくれる存在だった。歌が少し下手だったのは、どうやらぼくの作り出した実波のイメージのせいではなくて、実際に実波の声がぼくの意識にまで入り込んできたものだろう。
「なんだか、おかしな夢だった」
「なんだよそれ。おれの歌のせいかよ、悪かったな」
「……ちがう、よ」
 そんなことが言いたいのではない。ほんとうに、言葉は難しい。
「あれは、なんていう、歌?」
 実波は何か、曲名らしきものを教えてくれた。聞いたこともない言葉の、聞いたこともない曲名だった。どういう意味なのか、そして、彼がどうしてそれを歌っていたのかは聞かなかった。実波の中には、きっとぼくが知らないようなものが、たくさんあるのだろう。そんなことを考えると不思議で、少し寂しいような、それでも嬉しいような、くすぐったい気持ちになった。
 背中の痛みは、ずいぶん楽になっている。腕に力を入れて、起きあがろうとした。それだけの単純な動作で、目眩がして、頭が大きく鳴るように痛んだ。
 背中を、実波の手が支えてくれた。そのまま、ふらついた頭を、実波の胸に預ける。
「あり、がと」
「……おまえさ」
「うん」
「おまえ、ほんとに、おれがしたこと、嫌じゃなかったか」
 背中を支えてくれた手は、そのまま肩に添えられる。ぼくが怪我人だからだろう。まるで薄氷を割るまいとするような、これ以上どうやって力を抜けばいいのか分からないと、そう途方に暮れているような、そんな触れ方だった。
「……たとえば、どんなこと?」
 実波が何を聞きたいのは、分かっていた。けれども、そんな風に聞き返してみる。いつも意地悪を言われてばかりいる、ささやかな反撃だった。
「おれのこと、ほんとうに、嫌じゃなかったか。気持ち悪いとか、そういうの、なかったか」
 純太が、昨日、あんなことを話していたから。だから、実波はいろいろ、思う所があったのだろう。真剣に気にしているらしい彼を、それ以上茶化すのも失礼だと思った。
「痛いのは、きらい」
 頭が痛む。あのまま、階段を落ちた自分の姿を想像する。全身のいろんな部分が痛い。……きっと、派手に転がって落ちたのだろう。ぼくが死んだんじゃないかって、そう冗談のように言っていたけれど。彼には、心配をかけてしまった。悪いことをしてしまった。
「でも、きもちいいのは、好き、だよ」
 どう言ったらいいか分からなかったので、正直な気持ちを、そのまま答える。
 実波はそう答えたぼくを、あっけに取られたように見ていた。支えてくれていた、肩に添えられていた手の力が緩んだ。すっかり身を任せていたその腕が外れかけて、ぼくはそのまま倒れそうになる。実波が、慌てて手を伸ばして、ぼくを引っ張った。
「急に、変なこと言うなよ、この馬鹿」
 さっきまで、そろそろと恐れながら添えられていた手が、少し力強くなる。変なことを言ったつもりはない、と、不満を訴えるために彼を見上げる。
 一度触れるだけの、ひどく短い、キスをされた。
「……こんな状況じゃなかったら、襲ってるぞ」
 そう言って、ぼくの頭に巻かれた包帯を、少し恨めしそうに、軽く指先で弾いた。
 どう言えばいいのか、分からなかった。困惑したわけでも、腹が立ったわけでもないけれど、少し、照れ臭かった。
 だから、もたれかかる姿勢はそのままで、別のことを、聞いた。
「きのう、純太は、どうして、あんな話をしていたの」
 それは気になっていたことではあった。ぼくの、昔のこと。実波か、それとも美由紀かが、聞かせてくれるように頼んだのだろうか。
「……どうしてかは知らねぇよ。あいつが、勝手に喋りたがったんだ。どうしても謝らなきゃいけないことがあるとか言って」
「あやまる?」
「おまえに、謝りたいことがあるって、そう言って話し出したんだよ。結局、おまえが起きたら逃げ出してったけど」
 あの後、純太は病室に戻って来なかった。ただ美由紀がひとりで戻ってきて、ごめんね、帰るね、と言いに来た、らしい。ぼくはその頃、呼ばれて病室に来たお医者さんに、いろいろ聞かれたりしている最中だったから、それを実波に聞いた。
 謝ること。なんだろう。もう、あの誘拐のことは、純太のせいではないよ、って、そう言ってあげられたのに。それだけでは駄目なのかな。ぼくが言うだけでは、駄目なのだろうか。
 さっき見た、夢のことを思い出す。
 空になった檻。それでも、そこに鎖で繋がれたままの純太。ぼくの手のひらには鍵があった。
 あの鍵で、彼の足枷を、外してあげられたのだろうか。
「おれにだって、謝んなきゃいけないことが、たくさんあるよな。……おまえが、父親に似てるんだろ、って言ったのも、おれはそんなつもりじゃねぇけど、おまえにとっては言って欲しくないことだったんだろ」
 そう言えば、そんなことを言われた。確かにそれは、言われてあまり嬉しいことではなかった。なかった、けれども。
「……ね、みなみ」
 それだけでは無かったことを、彼ならば、分かってくれるだろうか。
「父さんは、ぼくのことが好きじゃなかったから、しかたがないん、だよ。たしかに、いっぱい、痛いことをされたけど、でも」
 こんなことを、誰かに言う日が来るなんて、思ったこともなかった。それだけじゃない。ぼくの心の中に、こんな思いが残っていたなんて、自分自身でも、知らなかった。……ああ、そうか。ぼくは、そんなふうに、思っていたんだ。
「……ぼくはそれでも、おとうさんが好きだったんだ」
 だから、買ってもらったランドセルは、すごく大切な宝物だった。たまに、どんな気まぐれだったのかは分からないけれど、父さんがぼくに、とても優しくしてくれる時があった。ランドセルも、その時に買ってもらったんだ。
 何歳の誕生日だっただろうか。プレゼントを買ってやるからって、おもちゃ屋さんに連れて行ってくれたことがあった。どれでも欲しいものを買ってやるぞって、そう言って優しく笑ってくれた。
 ぼくにはどうしても欲しいものがひとつだけあった。純太の家に初めて遊びに行ったときに、純太が見せてくれたおもちゃが、とても印象に残っていて、何かと思い出しては、いいなと忘れられずにいた。……ぼくはそういうことにあまり興味を持てない子どもだったから知らなかったのだけれど、純太の見せてくれたそのおもちゃは、ぼくの誕生日のその頃には、もうシリーズが切り替わっていて、在庫処分でとても安く売られていた。ワゴンの中からそれを見つけて、恐る恐る父さんにそれを見せると、なんだ、って、ものすごく楽しそうな顔で、そう笑われた。
 ――そんな安いのでいいのか。しかもそれ、もう、古いやつだろ。
 そう言って、笑った。ぼくはどうしてもそれが欲しかった。それ以外に、欲しいと思えるようなものを知らなかった。だから、うん、と何度も頷いた。
 変わったやつだなぁ、って、父さんはやっぱり笑って、それをぼくに買ってくれた。
「やさしく、してくれた時だって、たくさんあったんだよ」
 胸が詰まって、声もくぐもってしまった。涙が出そうになって、そのまま頬を実波の胸に埋める。
 実波は何も言わずに、ぼくの肩を、わかったよ、とでも言いたそうな調子で、数回そっと叩いてくれた。
(「かわいそうに。……あれは全部、お父さんに、されたんだよね」)
 実波はぼくの言葉を、それは違う、と、否定しないでくれた。そのことが、何よりも、嬉しかった。
(「とても怖くて、悪いお父さんだよね」)
 誰もがみんな、口を揃えて、そうぼくに言ったとしても、
(「真幸くん、真幸くんは、お父さんに虐められているんだよね。悪いお父さんだよね……」)
 誰もがみんな、そんな風にぼくに認めさせようとしても、それでも、ぼくは。
「……それでもぼくは、おとうさんが、好きだったんだ……」
 もう一度、うん、と頷くように、実波がぼくの肩を一度、優しく叩いた。
 ぼくは父さんのことが、好きだった。
 そんな風にぼくに言わせようとする人に、その通りだと答えるのが、嫌だった。
 ぼくに、父さんは酷い、怖い、悪い人だと、そう言わせようとする人たちが、嫌だった。
 そんな風に言いたくなかった。けれど、お医者さんも警察の人も、カウンセラーの人も、みんな、ぼくに認めなさいって。
 そうやって認めてしまいなさいって、ぼくに何度も何度も、そう言いなさいって。ぼくはそれが、とても、嫌で。
 ……嫌で嫌で、そんな風に、言うくらいなら、って。
 ――ああ、そうか。
 突然、蘇る記憶が、ひとつ、あった。たぶん、ぼくの一番深い、ぼくを今まで支えてくれた、根になる、その記憶。
 そうだ。……だから、だ。
 だから純太は、ぼくに謝らなきゃって、思ってるのか。

 全てを思い出した。そうだ、見つけた。
 実波の手を取り、自分の頬に当てる。温かくて、大きくて、いつでもぼくに、いろんなことを気付かせてくれる手。
 その手の熱に頬を寄せて、目を閉じる。そうだ、見つけた。また、気付くことが出来た。
 この記憶。

 ――これが、最後の鍵、だ。

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